ボーカリストブーム

歌の練習を始めてよかったなと思うのは、ボーカリストに対する
見方が変わったことです。
hiroc−fontanaさんが、昨今の日本におけるボーカリストブームはドリカムの
吉田美和がきっかけと日記で書かれていましたが、確かにこのあたりを
境に、日本のボーカリストのたたずまいがまったく変わってしまった
ことを、わたしも最近になって本当の意味で理解しました。
そして、多分これが歌謡曲からJ-POPへと、日本の音楽シーンの
呼び名が変化したことと関係があるのでは?という気もしています。



特に、わたしが感じるのは、ある年齢以上の人と、それ以下の人では、
シンガーに対する歌唱力の評価がまったく違っているのではないか?
ということです。
たとえば、岩崎宏美
彼女のファンの多くは、彼女に対して今でも、伸びのある高音の地声を
求めていますよね。どの高さまで地声で歌えたかということが、彼女の
のどのコンディションのよしあしを測る基準にさえなっているようです。
しかし、実は彼女、今でも歌おうと思えば地声でも歌えるそうなんですよ。
でも、それでは彼女の年相応の歌唱にはならない、やっぱりファルセットを
交えて、大人っぽい雰囲気で歌いたいということから、裏声を使っている
んだそうです。
それに対して、彼女のファンの多くは否定的な感じがするのですが、
いかがでしょうか?
その一方で、最近の若手シンガーで、ファルセットを使わないボーカリスト
を探すとなると、かなり大変なんじゃないでしょうか?ファルセット、
ハーフファルセットを駆使して、一曲の中で、さまざまな声の色を
塗りこんでいる、それが今の若いシンガーという気がします。
中島美嘉にしても、平原綾香にしても、鬼束ちひろにしても。。。
クリスタル・ケイのように、ソウルフルなハーフファルセット(と言って
いいのでしょうか?)で最初から最後まで歌うシンガーもいたりします。
そして、そんなスタイルを、今の若いリスナーたちは上手いと評価するの
ですね。
今の岩崎宏美の歌い方も、もしかしたらある意味、今の若いリスナーには
受ける歌い方なのかも知れない。。。なんてことも思ったりしました。
もちろん、彼女は今カバーアルバムを発表し続けたり、中島みゆき
曲を提供してもらったりと、決して若いリスナーをターゲットには
していないのですが。。。
平原綾香なんて、もしもわたしがボーカル練習を始めなければ、もしかしたら
全くもって興味の蚊帳の外にずっと追いやっていた人かも知れません。



もちろん、ボーカリストとしての技術ばかりを磨いても、それだけでは
意味がありません。
その技術が最終的にはリスナーの琴線に訴える手段として機能しない
限りは。。。
でも、わたしが好きな中島美嘉にしても、クリスタル・ケイにしても、
鬼束ちひろにしても、決して技術だけではない、ハートにくる何かを
もっている人たちだとわたしは思っていますけど。



ということで、最近のJ-POPの女性ボーカリストたちは、とても面白いと
わたしは思っています。