中島美嘉

SOL042004-11-03

●「LEGEND」中島美嘉
中島美嘉の13枚目のシングルです。
このマキシには、「LEGEND」のMAINバージョンとORIGINALバージョン
という、二つのバージョンが収録されています。
オリジナルバージョンとは、彼女の「STARS」や「WILL」などのアレンジを
担当した冨田恵一氏がアレンジしたもので、まさに「STARS」や「WILL」
同じ路線のバラードに仕上がってるのですが、恐らくバラードの中島美嘉
呼ばれつつあることに対する反発かどうかは分かりませんが、「SEVEN」を
アレンジしたCOLD FEETがアレンジした近未来的なサウンドのバージョンが
メインとして採用されたようです。
今までの路線と最近の路線と、どちらがいいか聴き比べてください!と
言われてるような感じもしちゃうのですが、そもそも曲自体があまりにも
オーソドックスすぎて、悪くはないのですが圧倒的な吸引力は感じられないかも
知れないですね。
どちらが好きかと言われたら、わたしは冨田恵一氏のアレンジしたオリジナル
バージョンの方が、それでもこの曲には合ってると思いますけど。。。
この人の歌詞は最近のJ-POPのほとんどがそうなってしまった私小説路線に
走ってなくて好きなんですけど、この歌の歌詞では♪君は夢で泳いでる〜
人魚になれたから〜っていう部分の、この「人魚」っていうキーワードを
もっと生かした方が、もっと詩が鮮明になってよかったんじゃないのかなあ、
と思ってしまいました。

以前seriさんがお勧めしてくれたカップリング曲、「FAKE」はスロージャズっぽい
曲に仕上がっていて、確かにびっくりですね。彼女はジャズが好きで、それが
きっかけで大沢伸一氏とコラボして名曲「LOVE ADDICT」が生まれてるんですが、
この「FAKE」はさらにもっと渋みを増した感じのジャズで。。。歌詞も、彼女らしい
ものすごく大人っぽい歌詞ですし(彼女、こういう寂寞感あふれる世界が本当に
似合ってます)なかなかに聞かせてくれる名曲ですね。

もう一曲、「CARROT& WHIP」は、彼女お得意のラバーズ・ロックっぽい曲で、
メジャーの明るい感じの曲に仕上がっていて素敵です。これは彼女のアルバム『LOVE』
の中でも好きな「AROMA」という曲を書いた五島良子さんが書いた曲なのですね。
もしかしてこれをシングルにしちゃっても、良かったんじゃないでしょうか?

ってことで、やっぱりこの人は一曲でどかっとリスナーを引き寄せるというよりは、
アルバム単位で、粒ぞろいの曲たちで聞かせるアルバムアーティストなんでしょうかね。。。
でも、やっぱりここらで大ヒットが欲しいところですけどね〜。